トムの徒然なるままに

日々思うことを書き連ねていきます。

銭湯の勧め

 最近よく銭湯にいくようになった。

 靴箱に靴を入れ古臭い鍵を手にとって、入り口でお金を払う。

 地域に依るだろうが大抵は450円だ。中は裸のおっさん、大学生くらいの若い集団なんかで賑わっている。

 これまた古臭い木製のロッカーに着替えを入れて服を脱ぐ。最初は抵抗感があるかもしれないが恥を感じる必要なんてまるでない。みんな全裸なんだし。日ごろ纏ってる鎧を外して中に入るのも銭湯の魅力だろう。

 まずは体を洗う。他の人とお湯を共有しているのだから挨拶のようなものだろう。そしたらお湯の中に入る。熱いお湯に体を慣らしながらゆっくり浸かっていく。体を浸したら何も考えない。頭と体がゆっくり絆されていくのに身を任せていく。

 お湯だけでも十分楽しめるのだが大体の銭湯にはサウナと水風呂がある。こいつを楽しまないわけには行かない。まずはサウナに入る。当然中は熱い。ここはとりあえず我慢だ。この後の快楽を期待して限界かなと思う少し先まで耐える。(といっても決して無理しすぎないように!)サウナにいると汗まみれになるのでしっかり汗をかけ湯で流してから水風呂に入る。しっかり肩まで浸かる。熱で膨張仕切った体を冷たい水で〆るのだ。だんだん外側から内側へ冷気が染み渡っていって気管の息が冷たくなったら出る。僕はこの時間が一番好きなのだ。そしたらすぐに浴槽には入らずにゆっくりする。すると酒に酔うよりも強い酩酊感がくる。これが病みつきになるのだ。この感覚のために450円払っているといっても過言ではない。

 

 銭湯の中では腹が出ている人そうでない人、皮被りの人そうでない人、大きい人小さい人誰も気にしていない。ただお湯があっていっときの癒しを求めて集まる人がいるだけだ。

 現代社会に生きる僕らは日々、コンプレックスを植え付けられながら生きている。見なけりゃいい話だし誰がそんなことを気にするのだという話なのだが知らぬ間に蓄積されたそれはやがて地層のように凝り固まってしまう。銭湯はそんな与えられるコンプレックスをお湯に溶かして流してくれる場所になってると僕は思う。